野球用語辞典

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スイッチヒッター

すいっちひったー

スイッチヒッターとは、英語の「switch hitter」に由来する野球用語で、右打席でも左打席でも打つことができる両打ちの打者のことを指す。対戦する投手が右投げ左投げかによって打席を使い分けることで、常に有利な対戦状況を作り出せる大きなアドバンテージがある。野球では一般的に、右投手に対しては左打者が、左投手に対しては右打者が有利とされており、これは投手の投げる球の軌道が打者から見やすく、外角への変化球に対応しやすいためである。スイッチヒッターはこの原理を最大限に活用できる選手であり、相手チームの投手起用戦略を複雑にする効果もある。日本プロ野球では、松井稼頭央、西岡剛、今宮健太などがスイッチヒッターとして知られている。メジャーリーグでは、ピート・ローズ、スイッチ・ヒッターの代名詞とも言えるミッキー・マントル、近年ではホセ・ラミレスなどが活躍している。スイッチヒッターになるためには、幼少期から両打ちの練習を積むことが一般的で、両方の打席で同等のレベルを維持するには膨大な練習量が必要とされる。実際には、どちらか一方の打席の方が得意という選手が多く、完全に両打席で同じ成績を残すことは非常に難しい。そのため、片方の打席だけで打つよりも全体的な打率が下がるリスクもあり、両打ちを選択するかどうかは慎重な判断が求められる。