左投手
さとうしゅ
左投手とは、左腕で投球する投手のことで、サウスポー(southpaw)とも呼ばれる。野球において左投手は全体の約10~15%程度と少数派であり、その希少性ゆえに高く評価される傾向がある。左投手の最大の利点は、右打者に対して外角への変化球が投げやすく、特にスライダーやカーブが右打者から逃げる軌道となるため、打ちにくいとされる。また、一塁への牽制が容易であることも大きなアドバンテージで、一塁ランナーの盗塁を抑制する効果がある。右投手が多数派のため、打者は右投手との対戦経験が圧倒的に多く、左投手との対戦に慣れていないことも左投手に有利に働く要因となる。一方で、左打者に対しては逆に不利な面もあり、特に左対左の対戦では打者側が有利とされることが多い。そのため、左投手は対右打者の「ワンポイント」として起用されることもある。歴史的には、ランディ・ジョンソン、クレイトン・カーショウ、田中将大(日本)など、多くの偉大な左投手が活躍してきた。左投手は希少性と独特のアドバンテージから、ドラフトやトレードで高く評価され、チーム編成において重要な戦力とされる。ただし、左投手であること自体が能力を保証するわけではなく、球速、制球力、変化球の質など、総合的な能力が重要である。