ワンポイント
わんぽいんと
ワンポイントとは、特定の打者1人をアウトにすることを目的として登板する救援投手、またはその起用法を指す。正式には「ワンポイントリリーフ」と呼ばれ、英語では「One-Out Guy」や「Specialist」と表記される。ワンポイントは主に、左投手が左打者を、または右投手が右打者を抑えるために起用されることが多く、投打の相性を最大限に活用した戦術である。特に「左のワンポイント」は頻繁に用いられ、左の強打者に対して左腕投手を1打者だけのために投入する。ワンポイント投手は、1人の打者をアウトにすればその登板での役割を果たしたことになり、その後すぐに別の投手と交代することが一般的である。このため、ワンポイント投手の登板時間は非常に短く、1イニングも投げないことがほとんどである。ワンポイント投手に求められるのは、特定のタイプの打者に対する圧倒的な強さであり、球威や決め球の有効性が重要となる。プロ野球では、ブルペンに左右それぞれのワンポイント専門投手を配置することが一般的であったが、近年では投手交代の時間が試合時間を延ばす要因となるため、ワンポイント起用を制限するルールが導入された。メジャーリーグでは2020年から、投手は最低3人の打者に投げるか1イニングを終えるまでマウンドを降りられないルールが施行された。日本プロ野球でも同様のルールが検討されている。このルール変更により、純粋なワンポイント専門投手の価値は低下し、複数イニングを投げられる汎用性の高い救援投手が重視される傾向にある。