マウンド
まうんど
マウンド(mound)とは、投手が投球を行うために設けられた盛り上がった土の台のことを指す。正式には「投手板」(ピッチャーズプレート)を含む円形の高まりであり、英語では「pitcher's mound」と呼ばれる。マウンドの高さは規定されており、メジャーリーグやプロ野球では本塁から約18.44メートル(60フィート6インチ)の距離に位置し、高さは約25.4センチメートル(10インチ)である。この高さにより、投手は打者に対して上から投げ下ろす形となり、球速や球の軌道に有利な影響を与える。マウンドの形状や硬さは投手のパフォーマンスに大きく影響するため、球場管理者は細心の注意を払って整備を行う。また、マウンドの傾斜は投手の踏み込みや重心移動に関わるため、投手によって好みが分かれることもある。「マウンドに上がる」という表現は投手として登板することを意味し、「マウンドを降りる」は降板を意味する。歴史的には、1968年以前のメジャーリーグではマウンドが現在より高く(約38センチメートル)、投手有利の環境だったが、投高打低を是正するために1969年に現在の高さに変更された。マウンドは投手の戦いの場であり、投手の心理状態を表す「マウンドの主」といった表現も使われる。