トリプルスチール
とりぷるすちーる
トリプルスチールとは、満塁の状態で一塁、二塁、三塁の全てのランナーが同時に次の塁への盗塁を試みるプレーである。実行されることは極めて稀で、野球史上でも数えるほどしか記録がない非常に高度な戦術である。このプレーが成功するには、三人のランナーが完璧なタイミングでスタートを切り、キャッチャーがどのランナーを刺すか判断に迷う隙を突く必要がある。リスクが非常に高いため、大量リードを奪っている場面や、相手バッテリーの隙を突ける確実な状況でのみ実行される。MLB史上では、1920年代から現代まで散発的に記録されているが、日本プロ野球では公式記録に残るトリプルスチールはほとんど存在しない。このプレーは野球の戦術の中でも最も大胆かつ華麗なものの一つとされ、成功すれば試合の流れを大きく変える可能性を持つ。一般的には、投手の牽制の甘さ、キャッチャーの判断ミス、全ランナーの俊足という複数の条件が揃った時にのみ成立する奇跡的なプレーである。