ベアハンドキャッチ
べあはんどきゃっち
ベアハンドキャッチとは、グラブを使わずに素手で打球を捕球する守備技術を指す。「ベアハンド」は英語で「素手」を意味し、通常のグラブを使った捕球よりも速く送球動作に移れることから、時間的余裕がない場面で使用される高度な技術である。最も多く見られるのは、内野手がゆるいゴロやバント処理の際に、チャージしながら素手で捕球して素早く一塁へ送球する場面である。特に三塁手や遊撃手が深い位置から打球を処理する際や、投手がバント処理をする際に効果的とされる。この技術の最大のメリットは、グラブで捕球してからボールを握り直す時間を省略できることで、わずか0.1秒から0.3秒程度の時間短縮が可能となる。ただし、素手での捕球は確実性に欠けるリスクがあり、打球の勢いによっては手を痛める危険性もある。そのため、使用する場面は限定的で、選手の判断力と技術力が試される。近年のプロ野球では、MLBの影響もあり、遊撃手や三塁手が積極的にベアハンドキャッチを使用する傾向が強まっている。成功すれば観客を沸かせるスーパープレーとなるが、失敗すればエラーとなるため、慎重な判断が求められる守備技術である。