野球用語辞典

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滑り止め

すべりどめ

滑り止めは、野球において投手がボールをしっかりと握り、制球力を高めるために使用する補助具や物質の総称である。最も一般的なのは松やにを主成分とする粘着性の物質で、投手が指先やボールに付着させることで、リリース時のボールの滑りを防ぐ。しかし、公式ルールでは投手がボールに異物を付着させることは原則として禁止されており、違反した場合は退場処分となる。ただし、ロジンバッグの使用は認められている。ロジンバッグ炭酸マグネシウムを主成分とする粉末が入った小袋で、投手プレート付近に置かれており、投手は手に付着させることができる。これにより手の汗を吸収し、グリップ力を高める効果がある。打者が使用する滑り止めとしては、バッティンググローブの着用や、パインタールをバットグリップ部分に塗ることが一般的である。パインタールは松脂を主成分とする粘着性の液体で、バットが手から滑るのを防ぐ。ただし、打者がパインタールを塗布できる範囲はバットの端から18インチ以内と規定されている。近年のプロ野球では、投手の滑り止め物質の不正使用に対する取り締まりが強化されている。