野球肘
やきゅうひじ
野球の投球動作の繰り返しによって生じる肘関節の障害の総称。特に成長期の少年野球選手や、投球数が多い投手に多く見られる。野球肘には内側型、外側型、後方型の3つのタイプがあり、それぞれ痛みの発生部位や原因が異なる。内側型は肘の内側の靭帯や筋肉の損傷によるもので最も多く、外側型は成長期の子供に見られる離断性骨軟骨炎で重症化しやすい。後方型は肘の後ろ側の骨や軟骨の損傷によるものである。野球肘の主な原因は、投球フォームの不良、過度な投球数、不十分なウォーミングアップやクールダウン、筋力不足などが挙げられる。予防策として、適切な投球フォームの習得、投球数の制限(球数制限)、十分な休養、ストレッチや筋力トレーニングが重要となる。治療は、安静、アイシング、リハビリテーション、重症例では手術が必要となる場合もある。近年、投手の健康管理のため、球数制限やイニング制限などの取り組みが進められている。