野球用語辞典

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長打率

ちょうだりつ

長打率とは、打者の長打力を示す指標であり、1打数あたりの塁打数を表す数値である。英語では「Slugging Percentage」といい、「SLG」と略される。計算式は「塁打数÷打数」であり、塁打数は単打を1、二塁打を2、三塁打を3、本塁打を4として計算する。例えば、100打数で単打20本、二塁打10本、本塁打5本を打った場合、塁打数は20×1+10×2+5×4=60となり、長打率は.600となる。長打率は打者の破壊力や得点生産能力を測る重要な指標であり、一般的に.400以上が優秀、.500を超えると非常に強力な打者とされる。長打率が高い選手は、一発で試合の流れを変える力を持ち、特にクリーンナップに配置される強打者に求められる資質である。長打率は打率とは異なる価値を示し、打率が高くても単打ばかりでは長打率は上がらない。逆に打率が低くても、本塁打が多ければ高い長打率を記録できる。近年のセイバーメトリクスでは、出塁率長打率を合計したOPS(On-base Plus Slugging)が、打者の総合力を評価する最も重要な指標の一つとされている。長打率は単なる安打の数ではなく、その質を評価する指標として、現代野球において不可欠な統計データとなっている。