野球用語辞典

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OPS

おーぴーえす

OPSとは、「On-base Plus Slugging」の略称で、出塁率長打率を合計した打撃指標である。日本語では「出塁率プラス長打率」と表現される。計算式は「OPS=出塁率+長打率」という単純なものだが、打者の総合的な攻撃力を評価する非常に優れた指標として、現代野球で広く用いられている。OPSは、出塁能力(どれだけ塁に出るか)と長打力(どれだけ遠くに打つか)の両方を同時に評価できるため、打者の真の価値を測る上で極めて有効である。一般的に、OPS .800以上が優秀、.900以上が非常に優れている、1.000を超えると超一流とされる。メジャーリーグでは1990年代後半から重視されるようになり、「マネーボール理論」で有名になったオークランド・アスレチックスがこの指標を積極的に活用したことで注目を集めた。日本プロ野球でも2000年代以降、徐々に浸透し、現在では公式記録としても採用されている。OPSの利点は計算が簡単で理解しやすく、しかも打者の価値を高精度で評価できる点にある。ただし、出塁率長打率を単純に足すため、理論的には完全ではないという指摘もあり、より精密なwOBAやwRC+などの指標も開発されている。それでもOPSは、打率だけでは見えない打者の真の貢献度を示す、現代野球に欠かせない重要な統計指標である。