打者評価
だしゃひょうか
打者評価は野球選手の打撃能力を総合的に判断するプロセスで、従来の経験則と現代の統計学的手法を組み合わせて行われる。伝統的には打率、本塁打、打点が主要指標とされてきたが、これらは運や状況に左右される要素が大きい。現代ではセイバーメトリクスに基づく指標が重視され、OPS、wOBA、wRC+などが真の打撃能力を示すとされる。さらにトラックマンなどの計測技術により、打球速度、打ち出し角度、ハードヒット率、バレル率などの物理的指標も評価に加わっている。これらの指標は運の要素を排除し、打者の実力を純粋に測定できる。また守備位置による補正も重要で、遊撃手と一塁手では求められる打撃水準が異なる。総合評価指標のWAR(Wins Above Replacement)は打撃、守備、走塁を統合して選手の総合価値を示す。スカウトは数値だけでなく、スイングメカニクス、球種への対応力、勝負強さなど質的要素も観察する。最適な打者評価には、客観的データと主観的観察の両方を統合した多角的アプローチが必要である。