打ち出し角度
うちだしかくど
打ち出し角度とは、打者が打った打球が地面に対してどの角度で飛び出すかを示す指標であり、近年の野球分析で重要視されている要素である。打球の軌道を決定する要因の一つであり、打ち出し角度によってゴロ、ライナー、フライといった打球の種類が決まる。一般的に、打ち出し角度が10度から30度程度の範囲が最も長打になりやすいとされ、この範囲はバレルゾーンと呼ばれる。角度が低すぎるとゴロになり内野でアウトになる確率が高く、高すぎるとフライアウトになりやすい。近年のメジャーリーグでは、意図的に打ち出し角度を上げるフライボール革命という戦略が注目され、多くの打者が本塁打を狙って角度を調整している。打ち出し角度は打球速度と組み合わせて評価され、両方が最適な範囲にある打球は長打や本塁打になる確率が非常に高い。トラッキングシステムの発達により、打ち出し角度は試合中にリアルタイムで計測可能となり、打者の技術分析に活用されている。打者は理想的な打ち出し角度を実現するためにスイング軌道を調整し、投手はそれを防ぐために打ち取る角度を誘導する配球を行う。