魔球
まきゅう
魔球とは、打者がまったく打てないような驚異的な変化や威力を持つ球種を指す、やや誇張的な野球用語である。主に漫画やアニメなどのフィクション作品で使われることが多く、現実離れした変化をする球として描かれる。代表的な例として、野球漫画「巨人の星」の大リーグボール、「ドカベン」の分身魔球などがある。ただし、実際のプロ野球においても、極めて優れた変化球や速球を「魔球のような球」と比喩的に表現することがある。例えば、大きく縦に落ちるフォークボール、鋭く曲がるスライダー、常識を超える速度のストレートなどが該当する。現実の投手の中にも、佐々木朗希の160km/h超のストレートや、田中将大のスプリットなど、打者を翻弄する球を投げる選手は存在し、それらが「魔球」と称されることもある。魔球という言葉には、投手の投球技術への畏敬と、打者の困惑を表現するニュアンスが込められている。実在しない完全な魔球はないが、常に打者と投手の間には、新しい球種や技術を開発する挑戦が続いている。