野球用語辞典

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アクセラレーション

あくせられーしょん

アクセラレーションとは、投手の投球動作において、腕が加速する局面のことで、特にコッキング期からリリースまでの間に腕の速度が急激に増加する時期を指す。この加速局面は投球動作全体の中で最も重要な局面の一つであり、ボールの球速やスピン率を決定する主要な要因となる。投球動作は大きく分けて、ワインドアップコッキングアクセラレーションリリースフォロースルーの5つの局面に分けられ、アクセラレーション局面では下半身から体幹、肩、肘、手首へと運動連鎖が伝わり、最終的にボールへエネルギーが伝達される。効率的なアクセラレーションを実現するためには、下半身の踏み込み、体幹の回転、肩甲骨の可動性、前腕の回内動作などが適切なタイミングで連動することが必要である。モーションキャプチャーやハイスピードカメラによる分析により、アクセラレーション局面での腕の速度、角速度、関節の動きなどを定量的に評価することが可能となり、投球フォームの改善や障害予防に活用されている。アクセラレーション能力を高めることで、同じフォームでもより速い球速やより高いスピン率を実現できるため、投手のトレーニングにおいて重視される要素である。