スリークォーター
すりーくぉーたー
スリークォーターとは、投手の腕の角度が斜め上から投げる投球フォームのことである。「3/4投法」とも表記され、オーバースローとサイドスローの中間に位置する投球スタイルである。腕の角度がおよそ45度程度となり、肩と耳の間くらいの高さから腕を振り下ろす形となる。スリークォーターの最大の特徴は、オーバースローとサイドスローの利点を併せ持つバランスの良さにある。オーバースローほどではないが縦の変化を生かせる一方、サイドスローのような横の変化も加えることができる。また、腕の角度が自然であるため、肩や肘への負担が比較的少なく、長いイニングを投げる先発投手に適している。ストレートには適度な角度がつき、スライダーやカットボールなどの横の変化球も効果的に使える。さらに、打者から見て球筋が読みにくく、タイミングを外しやすいという利点もある。現代のプロ野球では最も多くの投手が採用している投球フォームであり、技巧派から本格派まで幅広いタイプの投手がこのスタイルを用いている。体格や筋力に左右されにくく、球種のバリエーションも豊富にできるため、多様な投球スタイルに対応できる万能な投球フォームとして評価されている。