オーバースロー
おーばーすろー
オーバースローとは、投手が腕を真上から振り下ろすように投球する投球フォームの一つである。「上手投げ」とも呼ばれ、最も基本的かつ一般的な投球フォームとされている。腕の角度が垂直に近く、頭の真上またはそれに近い位置から腕を振り下ろす形となる。オーバースローの最大の利点は、ボールに縦の回転を与えやすいことである。これにより、ストレートには「伸び」が生まれ、カーブやスライダーなどの変化球も鋭く落ちる軌道を描きやすい。また、リリースポイントが高いため、打者から見て角度のあるボールとなり、特に低めのボールが有効に機能する。さらに、体の正面から投げるため、制球がつけやすく、力を効率的にボールに伝えやすいという特徴もある。一方で、投球フォームが比較的単調になりやすく、打者に球筋を読まれやすいというデメリットもある。プロ野球では多くの本格派投手がオーバースローを採用しており、球速150キロを超える剛速球を投げる投手の多くがこのフォームを使用している。オーバースローは肩や肘への負担も考慮する必要があり、正しいフォームの習得と体のケアが重要となる。野球の投球フォームの基本として、最も広く採用されているスタイルである。