球威

きゅうい

球威とは、投球が持つ力強さや勢いのことを指す総合的な概念である。単に球速だけでなく、投球の重さ、ノビ、キレ、回転数など、様々な要素が組み合わさって球威を形成する。球威のある投球は、打者がバットの芯で捉えても飛距離が伸びにくく、打ち損じや空振りを誘発しやすい。球威を構成する要素は複数ある。まず球速は基本的な要素で、速ければ速いほど打者の反応時間が短くなる。次に回転数が重要で、ボールの高速回転はノビやキレを生み出す。さらに、リリースポイントから打者までの距離が近いこと、腕の振りが鋭いこと、体全体を使った投球動作なども球威に影響する。また、投球の「重さ」という表現もよく使われ、これは捕手のミットに収まった時の衝撃や、打者がバットに当てた時の手応えで感じられる。球威のある投手は、たとえストライクゾーンの甘いコースに投げても、打者が力負けして打ち損じることがある。逆に球威がない投手は、コースを突いても打たれやすい。メジャーリーグでは球威を数値化する試みが進んでおり、回転数やスピンレート、投球の角度などがデータとして蓄積されている。球威は投手の才能によるところが大きいが、筋力トレーニングやフォーム改善によって向上させることも可能である。