トミー・ジョン手術

とみー・じょんしゅじゅつ

トミー・ジョン手術は肘の靭帯(内側側副靭帯)損傷に対する再建手術で、正式には尺骨側副靭帯再建術(UCL再建術)と呼ばれる。投手が投球時に肘にかかる過大な負荷により靭帯が損傷または断裂した際に行われる。1974年に外科医フランク・ジョーブがドジャースの投手トミー・ジョンに初めて施術したことから、この名称で広く知られるようになった。手術では患者自身の他部位(前腕や脚)から腱を採取し、損傷した靭帯の代わりに移植する。成功率は高く、多くの投手が手術後に復帰しているが、完全復帰までのリハビリには12~18ヶ月を要する。近年では投手の球速増加や投球数過多により、プロアマ問わず手術を受ける選手が増加している。予防策として投球数制限、適切な休養期間の確保、フォーム改善などが推奨されている。手術技術とリハビリプログラムの進歩により、復帰後に手術前以上のパフォーマンスを発揮する選手も珍しくない。野球界では最も一般的なスポーツ医療処置の一つとなっている。