野球用語辞典

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投球数制限

とうきゅうすうせいげん

投手の健康管理と故障予防を目的として、一試合または一定期間における投球数に上限を設ける制度や指針のことを指す。特に成長期にある若年層の投手に対して重要視されており、過度な投球による肘や肩の損傷を防ぐために導入されている。日本の高校野球では地方大会において投球数制限が段階的に導入され、一週間あたりの投球数上限が設定されるようになった。この制度により複数投手の育成が促進され、一人のエースに過度に依存する従来の戦い方が見直されつつある。プロ野球においても若手投手の登板管理では投球数が重要な指標となっており、100球前後を目安に交代が検討されることが多い。メジャーリーグでは投球数管理が徹底されており、先発投手は通常80球から100球程度で交代するケースが一般的である。投球数制限は投手の選手生命を守る重要な取り組みであると同時に、チームの投手運用戦略にも大きな影響を与える。一方で、完投能力の低下や投手陣の層の薄さが問題となる場合もあり、制限の是非や適切な数値については議論が続いている。