野球用語辞典

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得点期待値

とくてんきたいち

得点期待値とは、特定の状況下でそのイニング中にチームが得点する可能性の統計的平均値を指す野球分析用語である。アウトカウントと走者の配置によって24通りの基本パターンが存在し、それぞれの状況での平均得点が過去のデータから算出されている。例えば、無死一塁の状態は無死走者なしより得点期待値が高く、また無死満塁は最も高い得点期待値を持つ。得点期待値は作戦の意思決定に重要な役割を果たし、送りバントエンドランなどの作戦が得点期待値を高めるか低めるかを判断する基準となる。一般的に送りバントは一つアウトを献上する代わりに走者を進めるが、統計的には得点期待値を下げる場合が多いとされる。しかし、終盤の1点が勝敗を分ける場面では、得点確率を高めるために期待値を下げてでも送りバントを選択することがある。得点期待値の概念はセイバーメトリクスの重要な要素であり、現代野球の戦術分析に欠かせない。監督やコーチ得点期待値のデータを参考にしながらも、選手の能力や試合状況を総合的に判断して作戦を決定する。