投手三冠
とうしゅさんかん
一人の投手が同一シーズンにおいて最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振の三つのタイトルを同時に獲得することを指す。野球における最高峰の個人記録の一つとされ、達成難易度は極めて高い。最多勝利を獲得するには先発ローテーションの柱として多くの試合に登板し勝ち星を重ねる必要があり、最優秀防御率を獲得するには失点を最小限に抑える安定した投球が求められる。さらに最多奪三振を獲得するには打者を圧倒する球威と制球力が必要となる。これら三つの要素を高次元でバランスさせることは容易ではなく、投手としての総合力が試される。日本プロ野球では1940年代から2020年代まで数えるほどしか達成者がおらず、メジャーリーグでも稀な快挙である。投手三冠を達成した選手はそのシーズンのリーグを代表する圧倒的なエースとして認識され、最優秀選手賞や沢村賞の有力候補となる。近年では分業制の進展により先発投手の登板回数が減少傾向にあり、達成難易度はさらに上がっている。