野球用語辞典

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肘の抜き

ひじのぬき

投球動作において、腕を振る際に肘が本来あるべき位置から外れて下がってしまう現象を指す。特にリリースポイント直前に肘が急激に下がることで、ボールに十分な回転や速度が伝わらず、制球も乱れやすくなる。肘の抜きは投手の疲労や投球メカニクスの崩れによって発生しやすく、長いイニングを投げた後や連投時に見られることが多い。この現象が起きると、球速の低下だけでなく、変化球の切れも悪くなり、打者に狙われやすくなる。投手コーチは投球フォームをチェックする際、肘の抜きが発生していないか注意深く観察し、早期に修正を促す。肘の抜きを放置すると、肩や肘への過度な負担から投球障害につながる可能性が高まる。予防策としては、適切な投球間隔の確保、投球数の管理、そして正しい投球メカニクスの習得が重要である。アマチュア野球では特に注意が必要で、指導者は選手の投球フォームを継続的にモニタリングする必要がある。