投球回転数

とうきゅうかいてんすう

投球回転数とは、投手が投げたボールが1分間に何回転するかを示す指標であり、球質を測る重要なデータの一つである。単位はRPM（Revolutions Per Minute）で表され、回転数が多いほどボールに勢いがあり、打者にとって打ちにくい球となる。特にストレートでは高回転の球は「伸びる」「浮き上がる」と表現され、空振りを奪いやすい。一方、変化球では回転軸や回転数によって曲がり方が変わり、スライダーやカーブなどの球種ごとに最適な回転数が存在する。近年のトラッキング技術の発達により、投球回転数はボールの軌道や変化量と合わせて分析され、投手の育成や戦略立案に活用されている。同じ球速でも回転数が異なれば打者への見え方が変わるため、投手は回転数を意識した投球フォームの改善に取り組む。メジャーリーグでは投球回転数のデータが公開され、高回転のストレートを投げる投手は「スピン率が高い」と評価される。投球回転数は投手の球質を科学的に分析する上で欠かせない指標であり、現代野球における投手評価の新たな基準となっている。