エグジットベロシティ
えぐじっとべろしてぃ
エグジットベロシティ(Exit Velocity)とは、打者が打ったボールがバットから離れる瞬間の速度を指す、近代野球における重要な指標である。日本語では「打球速度」や「打球初速」とも呼ばれる。この数値が高いほど、打者がボールに強い力を加えていることを示し、長打の可能性が高まる。メジャーリーグでは2015年頃からスタットキャスト技術により全打球のエグジットベロシティが計測されるようになり、打者の能力を評価する新しい指標として注目を集めている。一般的に時速160キロ以上が強い打球とされ、時速170キロを超えると本塁打になる確率が大幅に上がる。NPBでも近年、トラッキングシステムの導入が進み、エグジットベロシティのデータが蓄積されている。この指標は運の要素を排除し、打者の純粋な打球を飛ばす能力を測定できるため、従来の打率や本塁打数よりも打者の真の実力を反映するとされる。打球角度と組み合わせた「バレルゾーン」という概念も生まれ、最適な打球を打てているかの判断材料となっている。トレーニングやフォーム修正の効果を客観的に測定する手段としても活用されている。