回
かい
回(イニング)とは、野球の試合進行の基本単位であり、攻守交代を一つの区切りとする時間区分である。1回は攻撃側と守備側がそれぞれ一度ずつ攻撃する機会を持ち、守備側が3つのアウトを取ることで攻守交代となる。正式な試合は9回まで行われ、9回終了時点で同点の場合は延長戦に入る。日本のプロ野球では延長12回まで(2024年現在)、メジャーリーグでは決着がつくまで延長が続く。各回は「表」と「裏」に分かれ、表は訪問チーム(ビジターチーム)の攻撃、裏はホームチームの攻撃となる。9回裏にホームチームがリードしている場合、その裏の攻撃は行われず試合終了となる(これをサヨナラゲームという)。投手の能力評価においては、何回まで投げられるかが重要な指標となり、先発投手は5回以上、完投は9回を投げ切ることを意味する。各回の得点を記録したものがスコアボードに表示され、観客や視聴者は試合の流れを把握できる。また、「回の頭」「回の途中」など、戦略的な投手交代や代打のタイミングを表現する際にも使用される。回という概念は野球の時間管理を特徴づけるもので、サッカーやバスケットボールのような時間制限ではなく、アウトカウントによって試合が進行する野球独特のシステムである。