野球用語辞典

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フリー打撃

ふりーだげき

投手が実際にマウンドから投げたボールを打者が打つ、試合に最も近い形式の打撃練習。実戦形式の打撃練習として、タイミングの調整や球種への対応力向上を目的として行われる。投手は通常のピッチング練習を兼ねて投げることが多く、ストライクゾーン付近にコントロールすることが求められる。打者は試合を想定して打席に立ち、投手の投球に対して実際のバッティング動作で打ち返す。フリー打撃では、ストレート変化球など様々な球種に対応する練習ができ、投手のリリースポイントからボール見極める能力や、球速への対応力を養うことができる。カウントを想定した打撃や、状況に応じた打ち方の練習も可能である。例えば、ランナーがいる場面を想定した進塁打や、ノーアウト一塁での送りバントなど、実戦的な練習を行うことができる。バッティングケージや屋外のグラウンドで行われ、打球の飛距離や方向を確認できることも大きな利点である。打球の角度や打球速度、落下地点などを視覚的に確認し、自分のスイングの質を評価できる。試合前の調整やシーズン中の打撃感覚の維持、新人選手の実戦感覚の習得などに幅広く活用される重要な練習である。また、投手にとっても打者を相手に投げることで、実戦に近い緊張感の中で投球練習ができる貴重な機会となる。