定位置守備

ていいちしゅび

各野手が基本的な守備位置に就いて守る、最も一般的な守備体制のこと。各ポジションには長年の経験と統計データに基づいた最適な守備位置があり、それが定位置とされる。定位置守備では、打球への対応範囲をバランス良くカバーできるよう、内野手は適度な深さと左右の間隔を保ち、外野手も打球の飛距離や方向を考慮した位置取りをする。定位置は打者の特徴（右打ち・左打ち、引っ張り傾向・流し打ち傾向）、投手の投球傾向、得点差、イニング、ランナーの状況などによって微調整されることがある。定位置守備は前進守備や中間守備と対比される用語であり、ランナーがいない場合や得点差が大きい場合など、特別な戦術を必要としない状況で採用される。定位置守備では、守備範囲を最大限に活かしつつ、確実にアウトを取ることを目的とする。打者に応じた守備シフトが増えている現代野球においても、定位置守備は守備の基本として重要な位置を占めている。各野手が定位置を理解し、状況に応じて適切にポジショニングすることが、堅実な守備の基礎となる。