HQS
えいちきゅーえす
HQSとは「ハイ・クオリティ・スタート」の略称で、先発投手が7イニング以上を投げて自責点を2点以内に抑えた登板を指す。英語では「High Quality Start」と表記される。HQSは通常のQS(クオリティ・スタート)よりもさらに厳しい基準を設けた指標であり、エース級の先発投手に求められる高いレベルの投球内容を示す。QSが6イニング3自責点以内であるのに対し、HQSは7イニング2自責点以内という条件を満たす必要があり、達成すれば防御率2.57に相当する優れた投球内容となる。HQSを達成した先発投手は、試合の大部分を少ない失点で抑え、チームに勝利をもたらす可能性を大きく高めたと評価される。味方打線が最低限の得点を挙げれば勝利できる状況を作り出すため、チームにとって非常に価値の高い登板である。プロ野球では、シーズンで10回以上のHQSを達成すればエース級の活躍とされ、15回以上はリーグトップレベルの先発投手としての実力を証明する。HQSはQSと同様に、勝利数に影響を受けず、投手自身の投球内容を純粋に評価できる利点がある。特に援護に恵まれない投手の真価を測る際に有効である。HQSの達成には、優れた球威、精密なコントロール、多彩な球種、長いイニングを投げ抜くスタミナ、そして重要な場面での勝負強さが必要とされる。近年では、先発投手の分業化が進み、HQSの達成が難しくなっている傾向もあるが、依然としてエース投手の質を測る重要な指標として用いられている。