軟式ボール
なんしきぼーる
軟式ボールは、ゴムを主原料として作られた野球用ボールであり、日本独自の規格として発展してきた。硬式球と比較して柔らかく、安全性が高いことが最大の特徴である。軟式ボールには号数による分類があり、小学生向けのC号球、中学生向けのM号球、一般向けのA号球などがある。2018年には新規格としてM号球とJ号球が導入され、より硬式球に近い性質を持つようになった。軟式ボールは中空構造であり、圧力を加えると変形するが、硬式球のように芯が詰まっていない。このため打球の飛距離は硬式球より短く、打球速度も遅くなる傾向がある。一方で、ボールが当たった際の衝撃が少なく、怪我のリスクが低いため、少年野球や学校の部活動、社会人の草野球など幅広い層で使用されている。軟式ボールの耐久性は比較的高く、経済的な負担も少ないことから、野球の普及に大きく貢献している。ただし、軟式ボール特有の変化球の軌道や打球感があり、硬式野球とは異なる技術が求められる。特に投手の変化球は、軟式ボールの方が大きく曲がる傾向があり、独特の投球技術が発達している。