セットアッパー
せっとあっぱー
セットアッパーとは、クローザーの前に登板し、リードを守ってクローザーにつなぐ役割を担う救援投手を指す。英語では「Setup Man」または「Setup Pitcher」と表記される。セットアッパーは主に8回に登板することが多く、「8回の男」とも呼ばれる。セットアッパーの役割は、先発投手や中継ぎ投手からバトンを受け取り、リードを維持したままクローザーに試合を託すことである。そのため、セットアッパーの投球内容は試合の勝敗に直結する非常に重要なものとなる。セットアッパーに求められる能力は、高い制球力、打者を抑える決め球、プレッシャーに強い精神力、連投に耐えるスタミナである。クローザーと同等レベルの実力を持つ投手がセットアッパーを務めることが理想的であり、クローザーとセットアッパーの二枚看板が揃っているチームは、終盤のリードを高確率で守り切ることができる。セットアッパーの成績は、防御率、ホールド数、被安打率、奪三振率などで評価される。優秀なセットアッパーは、シーズンで防御率2点台、30ホールド以上を記録し、チームの勝利に大きく貢献する。セットアッパーは「ホールド」という記録で評価されるようになり、その重要性が広く認識されるようになった。また、セットアッパーは場合によっては7回から複数イニングを投げることもあり、柔軟な起用が求められる。近年では、セットアッパーの役割が固定化されるチームが増え、「勝ちパターン」の一角として欠かせない存在となっている。セットアッパーの安定感は、チーム全体の投手運用に余裕をもたらし、勝率向上に寄与する。