ホールド
ほーるど
ホールドとは、救援投手が試合の中盤から終盤にかけてリードを守り、後続の投手にマウンドを渡した際に与えられる記録である。英語では「Hold」、略して「H」または「HLD」と表記される。ホールドはセーブの機会を作り出すために貢献した中継ぎ投手を評価するために1986年にアメリカで考案され、日本では2005年から公式記録として採用された。ホールドが記録されるには、セーブの条件を満たす場面で登板し、リードを保ったまま降板し、その後チームが勝利することが必要である。具体的には、3点差以内のリードで登板して最低1イニングを投げる、または4点以上のリードがあっても潜在的な同点打者を打席に迎える場面で登板し、リードを維持したまま降板する場合である。ただし、勝利投手やセーブを記録した投手はホールドの対象外となる。ホールドは主にセットアッパーと呼ばれる8回を任される中継ぎ投手や、7回に登板する中継ぎ投手が獲得する。プロ野球では、年間30ホールド以上が優秀なセットアッパーの基準とされる。セーブとホールドを合計した「セーブ・ホールド数」は救援投手全体の貢献度を測る指標として用いられる。ホールドの導入により、クローザー以外の救援投手の重要性も広く認識されるようになり、中継ぎ投手の評価が向上した。ホールドを記録するには、プレッシャーのかかる場面で確実にアウトを取る技術と精神力が求められる。