イニングイーター
いにんぐいーたー
イニングイーターとは、長いイニングを投げてブルペン陣の負担を軽減する先発投手を指す俗称である。英語では「Innings Eater」と表記され、直訳すると「イニングを食べる者」という意味になる。イニングイーターは、必ずしも圧倒的な投球内容でなくても、コンスタントに6イニング以上、理想的には7~8イニングを投げ切る能力を持つ投手を指す。この役割は、チームの投手運用において非常に重要である。先発投手が早い回で降板すると、中継ぎ投手やクローザーの登板機会が増え、ブルペン陣が疲弊してしまう。イニングイーターがいることで、救援投手の負担が軽減され、チーム全体の投手力が安定する。イニングイーターに必要な要素は、優れたスタミナ、効率的な投球で打者を打ち取る技術、球数を抑える制球力、そして試合を作る能力である。球威や奪三振率が高くなくても、ゴロを打たせて少ない球数でアウトを重ねる投球スタイルの投手がイニングイーターとして重宝される。プロ野球では、シーズンで200イニング以上を投げる投手が典型的なイニングイーターとされ、ローテーションの柱として評価される。特に、防御率が平均的でも多くのイニングを投げてチームに貢献する投手は、見えない価値を持つ。イニングイーターの存在は、シーズンを通じた長期戦において、投手陣の疲労を管理し、ブルペンの崩壊を防ぐために不可欠である。